上級生は言いました。
「その子はたぶん野良だから、
 ほうっておいてあげなさい。」
ふしぎなことを言う人もいるものです。
そうたろもあの人とおなじ、
上級生になる頃にはわかるでしょうか。

そんなことを考えながら歩いていると、
きゃん、と足元の犬は可愛く鳴いて、まっすぐかけだします。
ベンチに忘れられた一冊の本へむかって。









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